「あ~れ~?七海先輩じゃないですかぁ~」



横からそんな声が聞こえた。

声のする方を見ると…意外な人がいた。



「く、栗原さん?」



そこには隼人くんと同じクラスの栗原さんがいた。

キツイ香水の匂いをプンプンさせて。

いつもと違うのは浴衣を着ていること。

派手なピンクの浴衣に、髪型はまるでキャバ嬢。

他に2人女の人がいて、同じような感じの人たちだ。



「花梨、誰?」



緑の浴衣を着た女の人がそう言う。



「あ~例の人。隼人の」



そう言うともう一人の赤い浴衣を着た人があたしをギロッと睨む。

あたしの肩はビクッと上がった。



「あんたがねぇ。全然可愛くないじゃない!花梨の方が100倍かわいいし!」



意味不明なことを言う。

ていうか、大ちゃんいるんだし、こういう揉め事みたいなのはしないでほしい。

黙ったままあたしも3人を睨んだ。

すると、緑の浴衣の人が、



「は?何睨んでくれちゃってんの?ムカつくんだけど!ブスのくせに!!」



そこまで言った時、あたしの後ろから何かが飛んだ。

そして、緑の浴衣に赤い染みが出来た。