賢一さんは一人っ子のあたしにとってはお兄さんみたい。
かっこよくて、優しくて、面倒見がいい。
買い物をしたり、観光をしていたらあっという間に夕方になった。
「じゃあそろそろ帰るか」
賢一さんがそう言って車のライトをつける。
「1泊2日じゃあっと言う間だね~」
隼人くんが窓の外を見ながらそう言う。
「うん、楽しかったな」
あたしもそう言って窓を見る。
なんだか…寂しい。
「…真子ちゃん」
賢一さんに呼ばれてあたしは賢一さんを見た。
「よかったら、来年も行こうよ」
そう言ってくれた。
あたしは嬉しかった。
「ちょっと兄貴!それ、来年俺が言う予定だったのに!!」
そう言って怒る隼人くん。
あたしはその光景を見てクスクス笑う。
「うん!行きたい!てか絶対行く!」
あたしがそう言うと、隼人くんも賢一さんも笑った。
こうしてあっという間に山梨への旅行が終わった。

