「先輩!来て来て!」



山梨のお土産屋さんで、隼人くんがあたしを呼ぶ。

今朝起きたら隼人くんがあたしの手を握っていた。

それにもびっくりしたけど、さらにびっくりしたのは隼人くんが泣いていたから。

そっと隼人くんの涙を拭うと隼人くんは起きた。

聞けばご両親の夢を見ていたようだった。

それからなんか流されて…そこまで考えてあたしはまた顔が赤くなる。

あの時、賢一さんが起きなかったら間違いなく隼人くんとキスしてた。

でも…



「…嫌じゃなかったんだよな」



ボソッと独り言を言う。

すると、



「先輩?真子先輩!」



急に目の前に隼人くんが現れた。



「わっ!」



あたしはびっくりして後ろに倒れそうになる。

でも後ろには賢一さんがいて、うまくあたしを受け止めてくれた。



「ちょっと真子ちゃん何してるの!危ないでしょ」



そう注意されてすこし落ち込む。



「ごめんなさい」



「次からは気を付けるよーに」