「お墓参りに行ったお礼、あと俺と兄貴が元気そうで良かったって言ってた」



俺は目の前で寝ている兄貴を見る。



「真子先輩の紹介もした」



そう言うと真子先輩がクスッと笑う。



「あたしの?なんか恥ずかしいなぁ」



俺の胸に顔をうずめてそう言った。



「ちゃんと紹介したよ。俺の好きな人って」



そう言うと真子先輩の肩がまた少し上がった。

そんな先輩の肩を持ってそっと自分から離す。

目を合わせると先輩の顔は赤くなってる。

俺はもう我慢できなかった。



「真子先輩、好きだよ」



そう言って俺は自分の顔をそっと先輩に近づけた。

真子先輩もゆっくりと目を閉じた。

でもその時、



「へっくしゅん!!」



突然のくしゃみの音に俺も先輩も止まった。



「あ~やっぱ山梨は冷えるな。2人ともおはよ~って何朝からそんなくっついてんだよ」



そう言ってふわ~とあくびをしたのは兄貴。

俺は先輩と目が合うと一気に顔が赤くなった。

先輩もさっきよりさらに赤い。

兄貴があのタイミングでくしゃみしてなければ、先輩とキスしてた。

でも先輩は嫌がってなかったし…

俺、少しは先輩に好きになってもらえたかな?

そう思うと少し嬉しくなった。

俺は先輩の耳に顔を近づけて



「…続きはまた今度」



そう言ってニッと笑った。

すると先輩の顔がタコより真っ赤に染まったから俺は声を出して笑った。