「隼人くん」



「…ま、こ先輩?」



真子先輩は俺の目元をそっと撫でる。



「…泣いてる」



先輩はそう言って眉を歪める。

俺は急いで起き上がって手で涙を拭こうとした。

でも…



「あ、起きたら…手、繋がれてて…」



そう、俺は真子先輩の手を握りながら眠ってしまったみたいだ。

俺は急いで先輩の手を離す。



「ごっごめん!」



俺は涙をぬぐいながらそう言う。



「ううん、大丈夫。それより、隼人くんは大丈夫?」



真子先輩が首を傾げて俺を見る。

俺は先輩の腕を掴んで自分に引き寄せた。

そしてそっと抱きしめる。



「隼人くん?」



先輩はまだ心配そうな声を出す。



「両親の、夢…見た」



俺がそう言うと真子先輩の少し上がった肩がスッと下がった。



「…どんな夢だったの?」



先輩が俺の背中に手を回した。

先輩に触れてると、本当に落ち着く。