「昨日は墓参りに来てくれてありがとな。賢一もしっかりした大人になって、俺たちは嬉しいぞ」
そう言ってお父さんがも俺の頭を撫でる。
「それに、可愛い女の子までつれてきちゃって」
お母さんがクスクス笑いながら俺を見る。
「真子先輩って言うんだ。俺の…好きな人」
次から次へと出てくる涙を拭きながら俺は答えた。
「隼人もそういう子が出来たんだな」
お父さんもそう言って笑った。
「俺、真子先輩を一生大事にする。守ってみせる。賢兄にだって負けない」
そう言い切ると、お父さんもお母さんも優しく笑った。
「頑張るのよ、隼人」
「いつでもお前たちの味方だから」
お父さんとお母さんはそう言うとゆっくりと消えていく。
「…ありがとう。お父さん、お母さん」
だんだんと見えなくなって…そして
「俺たちはずっと、お前たちのそばにいるからな」
そうお父さんの声がしたと思ったら、耳元で名前を呼ばれた気がした。
それと同時に、何かが頬に触れてる感触がする。
ゆっくりと目を開ける。
すると一番初めに目に入ったのは真子先輩の顔。
なにやら心配そうに俺を見つめてる。

