………はずだった。

俺は頭の上に置いてある携帯に手を伸ばす。

時間を確認すると1時半を回っていた。

…寝れない。

きっとトランプで興奮しすぎたんだ。

俺は目をつぶって頭の中で羊を数え始めた。

羊がい~っぴき。

羊がに~ひき。

羊がさ~んびき。

……羊を389まで数えた時だった。



「ん、うぅ~ん」



耳元でそんな声が聞こえた。

俺はゆっくり目を開けた。



「…っっ!!!!」



俺は思わず声を上げそうになった。

だって、目の前に真子先輩がいる。

スースーを気持ちよさそうに寝ている。

ていうか距離が近い!先輩との距離は20センチくらいしかない。

先輩は俺と先輩の布団の分かれ目ギリギリで寝ていた。

俺も気づいたら自分の布団の先輩側に寝ていたみたいだ。

深呼吸して自分を落ち着かせようとした。

そして落ち着いてきたところで、もう一度真子先輩を見た。

綺麗な色白の肌。ほっぺなんてつるっつる。

思わず触りたくなって、そっと先輩の頬に手で触れた。

このままキスしたいけど、それはさすがにダメだろ。

俺はぐっと我慢した。

でも…手ぐらいは握って…いいかな?

俺は先輩を起こさないようにそっと手を握った。

寝てる先輩の手は暖かかった。

なんだか落ち着く…俺はそのまま夢の中に落ちて行った。