「兄貴!これちゃんと切ったのかよ!」
兄貴と先輩のカードは5枚ずつ。
俺は…11枚もある。しかもジョーカーも。
「大丈夫だよ、すぐ減ってくから」
真子先輩がそう笑ってくれる。
「うん」
一番枚数の多かった俺が兄貴のを引く。
「そろった!」
まぁ、当たり前だろう。
さっそく揃ったカードを捨てる。
そしてグルグルとそれは続いていく。
でも一向に俺のジョーカーはこの場から動かない。
「あがり!!」
兄貴が一抜けした。
枚数の残りは俺が2枚、先輩が1枚。
先輩が俺の持っているハートの7を引いたら俺が負けだ。
「う~ん、これかな?」
先輩がジョーカーに手を当てる。
そうだ!引け!
そう思ったけど…
「やっぱこっち!」
そう言って引いたのは…
「やった~!!上がり!!」
ハートの7だった。
俺のジョーカーは一回も俺から離れなかった。
「く、悔しい…もう一回やろ!」
俺は悔しくてそう言ってカードを集めて2人に分けた。
それが何回続いただろう…

