「賢一さんは左!じゃあ隼人くんは~」



俺の名前のところから線をたどる。



「え~っと、隼人くんは右!てことはあたしは真ん中!」



そう言ってへへっと笑う。

なんということだ。真子先輩を挟んで兄貴と寝るなんて…。

そう思っていると、先輩が自分のカバンの中からあるものを取り出した。



「じゃーん!トランプ持ってきましたぁ!」



ニコニコしながらそう言う。

先輩、本当に修学旅行気分なんだ。



「トランプなんて何年ぶりだろう」



兄貴が結構ノリノリで布団の上に座る。



「あたしは去年、修学旅行でやりましたよ!隼人くんも早く座って!」



「う、うん」



急かされて俺も座った。

でも実は俺、トランプとか苦手なんだ…

運がないっていうか…すぐ負けるんだ。



「じゃあ最初はやっぱ定番のババ抜き?」



「だな!じゃあ俺分けるな!」



兄貴がトランプを格好よく切る。

そして目の前にトランプが分けられていく。

同じ数字のカードを捨てる。でも…