「ごめん…」
なんで謝ってるかわかんない。
あたしは隼人くんの真正面にまわって隼人くんを見た。
なぜか今にも泣きそうな顔をしてる。
どうして?
「…怖かった、でしょ?俺」
そう言ってあたしから視線を逸らす。
怖かった?そう聞かれても返事に困る。
いつもと違ってびっくりはしたけど、怖いなんて全く思わなかった。
それより…
「隼人くん、ありがとう」
あたしがそう言うと隼人くんはあたしを見た。
「…格好良かったよ」
そう、いつもニコニコ可愛い隼人くんが、あんな風にあたしを助けてくれて。
格好良かった。正直ドキッとした。
隼人くんはびっくりしたように目を見開く。
でもすぐに顔を赤くした。
「ちょ、先輩。不意打ちはやめて」
そう言って自分の両手で顔を隠す。
照れてるみたい。隼人くんがさらに可愛く見えた。
「隼人~やるじゃないか」
そう言いながら賢一さんがやってきた。
どうやら一部始終を見ていたらしい。
「真子ちゃん、ああいうやつらに出くわしたらすぐ助けを呼ばなきゃいけないよ」
そう言われて頭を撫でられた。
「はーい」
あたしはそう返事して、未だに照れてる隼人くんを連れて部屋に戻った。

