少し待っていると、



「真子先輩♪」



あたしの後ろから隼人くんが顔を出した。

あたしの心臓がドクンとした。



「あ、お、おつかれ」



いきなりの登場になんて言っていいかわかんなくて、噛みまくった。

恥ずかしくてうつむいた。



「待たせてごめんね!隣座っていい?」



あたしが返事をする前に隼人くんはあたしの隣に腰かけた。

意外と近い距離にあたしの左半分が熱い。



「風が気持ちいいね!」



「うん」



話題が出てこない。

て言うか、隼人くんを見るとこの前のことを思い出してしまう。



「ねぇ、先輩?」



「な、何?」



隼人くんの顔を見ずにそう言う。

するといきなり顔の左右を押さえられ、グイッと隼人くんがいる方に向かされた。

隼人くんと目が合う。



「なんで先輩、僕の目見てくれないの?」



顔を押さえられたまま、そんなことを言われた。

ち、ちちちちち近いっ!!!

恥ずかしくて目を逸らそうとした。



「ほら!見て!!」



そう言われてあたしは隼人くんを見た。

隼人くんの目は真剣だった。