静かになった部屋で兄貴が口を開く。
「…真子ちゃん、本当によかったの?」
俺も先輩を見る。
すると、
「全然いいですよ?てか3人で一部屋に泊まるんだと思ってました」
そう言ってケラケラと笑う。
「なんか修学旅行みたいで楽しいね!」
俺に話を振ってくる先輩。
「あ、う、うん」
しどろもどろになりながらも答える。
兄貴を見ると眉をひそめて困った顔をしている。
まぁ、それが真子先輩なんだよ兄貴。
「せ、せっかくだから温泉入りに行こうよ!」
そう言うと2人とも賛成した。
風呂の支度をして部屋から出た。
「じゃあ、真子ちゃんゆっくり入ってきてね」
「はい!またあとで」
俺たちは男湯と女湯に分かれた。
真子先輩は女湯に入って行く。
すると隣からため息がこぼれた。
「…真子ちゃんって天然?」
兄貴が俺にそう聞く。
「うん、結構天然のとこある」
そう、真子先輩は普段はしっかり者だけど、たまに天然なとこもある。
この間は携帯と間違えてテレビのリモコンを持っていた。
その前はたまたま真子先輩が告白されてる場面に出くわした。
でも付き合っての意味をトイレに付き合って程度に勘違いしてた。
まぁ、俺はそこで噴き出したけど。
そのほかにもいろいろ抜けてるとこもある。

