バチリ
草むしりをしてた隼人と目が合った。
そして口パクで何か言った。
よーく見てると…
『へ・ん・た・い』
そう言ってニヤリと笑った。
「そ、そんなんじゃない!!!」
俺は思わず立ち上がって隼人に向かって言った。
「え?どうしたんですか?賢一さん」
真子ちゃんが不思議そうに首を傾げる。
隼人の方を見ればクスクスと笑ってる。
く、くっそ~!!
「な、なんでもない!」
俺はそう言って黙々と墓石を洗う。
でも、ここに来て、こんなに2人とも笑ってるのは初めてだ。
これもきっと真子ちゃんのおかげ。
「よし!綺麗になったな」
お墓に花を飾って、最後に線香に火をつける。
3人で手を合わせて目を閉じる。
父さん、母さん、真子ちゃんのおかげで俺たち兄弟は毎日笑ってられるよ。
これからも見守っててくれ。

