隼人くんの昔の話を聞いてから、隼人くんは自分のことを『俺』と言うようになった。

なんでかわかんないけど、少し隼人くんに近づけた気がした。

その時、



「ほら!2人とも!この道そんな車止めらんないから早く!!」



運転席から賢一さんが呼ぶ。



「すみません!今日はよろしくお願いします!」



そう言うと賢一さんは



「こちらこそ、なんか隼人が無理やり誘っちゃってごめんね」



申し訳なさそうに言う。



「む、無理やりじゃないし!!」



隼人くんが後部座席に乗りながら賢一さんに言った。



「ははっ!ほら、行くよ!真子ちゃんは助手席乗って!」



あたしはそう言われて助手席に乗った。



「さぁ、しゅっぱーつ!!」



そんな隼人くんの掛け声とともに、車は山梨に向けて出発した。