「隼人、どこ行ってたんじゃ?」



夜中の12時、俺は誰にも見つからずに家に入るはずだった。

でも



「うるせーな。どこでもいいだろ?」



じいちゃんに見つかってそう言われた。

でも俺はウザかったかからテキトーに言って部屋に入った。

俺は中1から不良らとつるむようになった。

最初は顔が可愛いからと3年にもバカにされたりした。

俺は悔しくて、いろんな学校の奴らと喧嘩した。

みんな俺を見た目で甘く見ている。俺はどんどん喧嘩が強くなっていった。

でも俺たちは気づかなかった。

この時、じいちゃんはガンだったなんて。

もう、手遅れだったなんて…



「おい、お前いい加減にしろよ?」



中2になったばかりの頃、遊びに行こうとしてた時、兄貴がそう言ってきた。

高校3年になった兄貴は背も高いし、ガタイも良くて正直うらやましかった。

なのに俺は160センチそこそこ。



「は?何がだよ」



靴ひもを結びなおして立ち上がる。



「お前、じいちゃんにどんだけ迷惑かけてるか知ってるか?学校に呼び出されたり、先生たちに謝ったり」



「うっせー」



兄貴の言葉を聞かずに俺は家を飛び出した。

家にいるより、他校の奴らと喧嘩してた方が楽しかった。

それから俺は3日間、家には帰らなかった。

その間、何十回も兄貴から携帯に着信やメールが入っていたけど、俺はシカトした。

どうせ帰ってこいとか文句しか言ってこないと思ったから。

でも家に帰るとそれは違った。

机の上には置き手紙があった。