この声は母さんに違いない。
怒ってる…絶対怒ってる!!
「ご、ごめんなさい!!!!」
俺は後ろを振り向きものすごいスピードで土下座をした。
頭なんて上げられない。
きっと母さんに頭には角が2本出てるに違いない。
そう思っていると、
「ふっ、ふふふ」
急に笑い声が聞こえてきた。
俺はゆっくり顔を上げる。
すると、母さんがクスクスと笑っている。
「え?」
俺は意味が分からなかった。
だって無断外泊したから絶対怒られると思ったから。
少し笑うと母さんは口を開いた。
「おかえり、真子ちゃんちにいたんでしょ?」
そう言って俺を見る。
「え?なんで知って…」
「昨日真子ちゃんから、啓太がうちで寝ちゃったからそのまま寝かしておきますってメー
ルが来たのよ」
そう言ってリビングに入って行く母さん。
なんだ、真子連絡してくれてたんだ。
俺は心の中で感謝した。
すると母さんがリビングからひょっこり顔を出してニヤッと笑った。
「まさか真子ちゃんに変なことしてないでしょうねぇ~」
それを聞いて俺は一気に顔が赤くなった。
「し、してねぇよ!!!!!」
そんなこんなで俺の高校サッカーが終わった。

