「起きろ!真子」
「ん~~」
真子はゆっくりと目を開けた。
「あれ?啓太?おはよ~」
そう言ってまだ眠そうな目を擦る。
その姿が可愛くてずっと見ていたいと思ったけど今は時間がない。
「昨日はありがとな!俺今日も部活だから家帰るわ!!」
そう言って立ち上がってカバンを持つ。
「あ、着替えは洗濯してまた持ってくね」
真子もゆっくり立ち上がって玄関まで来てくれた。
「サンキュ!じゃあ!」
「じゃあね~」
俺は自分の家に向かった。
よくよく考えたら俺家に何も連絡してない!
ヤバイかも…
家に着くとそっとガキを開けて家に入る。
誰にも見つからないようにそっと廊下を歩いていると…
「あ、兄ちゃんおかえり~!!」
トイレからちょうど大樹が出てきて鉢合わせになった。
俺は焦って大樹の口を手で塞ぐ。
「シー」
俺が口に人差し指を当ててそう言った時、
「け~い~た~」
リビングからそんな声がする。
俺はビクンと肩を揺らした。

