俺は食後に真子が出してくれたジャスミンティーを飲みながらボーっとテレビを見ていた。
すると、洗い物を終えた真子が自分のマグカップを机の上に置いて、俺の隣に座った。
真子が隣にいるとなんだか安心するのはなんでだろう。
「…試合…さ」
真子が口を開いた。
「みんな頑張ったね」
そう言ってゴクリとジャスミンティーを飲む。
言われて、また思い出す今日の試合。
せっかく真子にお守りまでもらったのに。
「…負けちゃったよ。ごめんな」
俺がそう謝ると真子は急に俺のほっぺをつまむとびよよ~んと横に伸ばした。
そんないきなりの行動に俺はびっくりして目を見開いた。
すると真子が口を開いた。
「謝んないでよ」
そう言って俺を見た。
「精一杯やったじゃん!頑張ったじゃん!それで十分だよ!」
俺を見る真子は今にも泣きそうな顔をしている。
なんでお前が泣くんだろうと思ってなんだかおかしく思えたけど、
気づくと俺の頬になんだか暖かいものが流れてる気がして手で触れてみた。
「…涙」
あぁ、俺泣いてるんだ。
真子の前で泣いてる…。
かっこ悪い。かっこ悪いけど…止まらない。
俺は目の前にいる真子を力いっぱい抱きしめた。
真子は一瞬びっくりしたようだったけど、優しく俺の背中に手を当ててポンポンと叩いた。
「いっぱい泣いたらすっきりするよ」
優しくそう言う真子の声を聞いたらもう涙が止まらなかった。
こんなに泣いたのは久しぶりだった。
その間、真子はずっと俺の背中を撫でていてくれた。

