真子の家はいつもきれいに片付いている。
リビングに通されてソファに座った。
「お風呂入れたけど入ってく?」
真子がそう言った。
確かに汗でベトベトだ。
「うん、じゃあ借りる」
そう言って立ち上がった。
真子が俺にバスタオルと、真子の父さんのジャージを貸してくれた。
シャワーをひねって熱いお湯を頭から浴びる。
目をつぶると今日の試合が頭に浮かぶ。
あのとき、もっと攻めていれば。
パスをもっとつなげていれば。
後悔ばっかり頭に浮かぶ。
湯船につかると真子が入れてくれたローズの入浴剤の香りで少し落ち着いた。
お風呂から出るとなんだかいい匂いがした。
「あ、出た?今オムライス作ってるけど食べてく?」
そう言ってエプロン姿の真子が顔を出した。
「うん、食ってく」
俺はそう言ってソファに座った。
しばらくすると湯気を立てたオムライスがテーブルに並べられる。
サラダとスープと麦茶を用意してくれて、真子も隣に座る。
「さぁ召し上がれ」
そう言ってニコッと笑った。
「いただきます」
俺はスプーンでオムライスをすくうとパクリと食べた。
「ん、うまい」
俺がそう言うと真子はニコニコ笑った。
そしてあっという間に食べ終わった。

