「お守り?真子作ったの?」



秋に聞かれて頷いた。



「啓太にとって高校最後の大会だし、作ってみた」



縫い物は好きじゃないけど、作ってみた。

ちょっと縫い目ガタガタだけど。

星城カラーの青地に白いユニフォームの番号。

啓太は2番。副キャプテンだからね。



「ふふ、きっと喜んでくれるよ!渡しに行こう」



そう言って秋はあたしの手を引いて歩き出した。

そして星城が練習をやってるとこで啓太を探した。



「いた!」



あたしはすぐに見つけた。

少し遠くでサッカー部の人たちとランニングをしてた。



「あ~こっからじゃ声届かないかな~」



秋がそう言った時、啓太がこっちを向いた。

そしてあたしたちの方に向かって走ってきた。