少し歩いていると、後ろから何か聞こえた気がした。

気になって振り返ると…



「ん?」



後ろから誰か追いかけてくる。



「真子せんぱーい!」



この声、誰かすぐに分かった。



「隼人くん?」



最近学校で会ってなかった。

メールはちょくちょくしてるけど。

キキキーという音とともに隼人くんが現れた。



「先輩一緒に帰ろ~」



ニコニコ笑う隼人くん。



「うん、帰ろう。でもなんで今日自転車なの?」



そう、今日は隼人くんは自転車だった。

いつも歩きなのに。

あたしがそう聞くと、隼人くんは照れたように頭を掻いた。



「あ~今日ちょっと寝坊しちゃって、自転車で来たんだ」



そう言った。

照れた顔がなんだか可愛い。



「そうなんだ」



そう言って笑うと隼人くんがあたしを見た。



「先輩、後ろ…乗る?」



そう言って自分の自転車の後ろを指さした。



「あ、あたし重いからいいよ」



そう言って断ると、隼人くんはあたしの腕をグイッと引いて無理やり後ろに座らせた。



「先輩は軽いから問題ないよ!」



笑ってそう言うと自転車は走り出した。