「なんか…ごめん」



そう言って俺の前にあったかいお茶の入ったコップが置かれた。

真子先輩だ。



「あ、ありがとう」



そう言ってコップのお茶をごくりと飲む。

暖かくて、少し落ち着いた。



「あ、あれ、あたしのお父さんとお母さん」



そう言ってキッチンの方を見る。

キッチンにはいまだにいちゃいちゃとしてる2人。

俺はあれから真子先輩のお母さんに家の中に引っ張り込まれた。

そして「あなたもよかったら夕飯食べてって!」と言われて今に至る。



「真子先輩は…お母さん似だね」



そう思った。だってホントにそっくりなんだもん。

性格は全然違うけど。



「うん、よく言われるんだ」



そう言って両親を見る先輩はなんだか嬉しそう。

そんな先輩を見て少しうらやましくなる。

だって、俺の両親はもうこの世にはいないから。



「真子~隼人くーん!ご飯できたわよ~」



そんなことを考えていたら真子先輩のお母さんに呼ばれた。

テーブルの上には料理がいっぱい並べられていた。



「さぁ、座って!」



「失礼します」



俺は少し緊張しながら先輩のお母さんの前に座る。

隣には真子先輩が座った。