「ちょっと待って!」
お母さんが隼人くんの肩を掴んでそう言った。
そして隼人くんを下から上までジロジロ見て一言。
「かっわいい~!!!」
そう言って隼人くんを抱きしめた。
隼人くんはいきなりのことで固まっていた。
だってそうだろう。あたしも固まってるから。
「こら文江。この子も困ってるだろ?離してあげなさい」
お父さんがやんわりお母さんを隼人くんから離す。
隼人くんはまだよくわからないらしく目をぱちくりさせる。
「ごめんね、文江は可愛いもの好きなんだ」
お父さんがそう言うと隼人くんは
「あ、いえ…」
と頭を掻きながらそう言った。

