隼人くんの家はマンションの3階だった。
マンションを出ると、自分の家の意外と近くだったのにびっくりした。
「真子先輩と家近かったんだね」
そう言って隣を歩く隼人くん。
そしてあという間に自分の家に着いた。
「あれ?電気付いてないけど家誰もいない?」
隼人くんが、あたしの家を見てそう言う。
「うん、あたしの両親、海外行っててほとんど一人なの」
そう言うと、隼人くんはびっくりしたように目を見開いた。
「え?大丈夫?調子悪くなったりしないかな?」
心配そうにあたしを見る。
本当にこの子、いい子だと思う。
「大丈夫だよ!本当に今日はありがとね!」
そう言って笑った瞬間、
「キャッ!」
あたしはいきなりの展開に目をぱちくりさせる。
だだだだだだって!!
「は、隼人くん?」
隼人くんが何を思ったのかあたしをいきなり抱きしめたのだ。

