「あの兄弟に好かれるなんて、真子やるねぇ~」
そう言った。
秋は全部知っている。ていうかいつの間にか知っている。怖いくらい…。
そして詳しく話さなければいけなくなる。
まぁ、適切な返事をくれるし、親友だからなんでも話しちゃうんだけど。
それにしても賢一さんのことまで知ってるとは驚いた。
前に卒アルを見たらしい。てか賢一さんも星城高校出身だった。
「そんなことないって。それより秋は啓太にだけ?」
あたしがそう聞くと秋は眉を下げて言った。
「そうだよ~だって現れないんだもん。あたしの王子様」
そう言って項垂れる。
秋の恋愛話はあまり聞いたことがない。
たくさん告白はされてるみたいだけど、全部断ってる。
好きになった人じゃなきゃ絶対付き合わないって言ってる。
「今に現れるよ。応援してるから」
そう言って秋の肩を軽く叩いた。
それから2人で啓太の机の上に山積みにされてるチョコレートの上にそっと置いた。
前にこの大量のチョコをどうするのか聞いた。そしたら近所の老人ホームに持ってくんだ
って。
それを聞いたときはすこし啓太を尊敬した。
でもあたしと秋のチョコはいつも食べてくれるみたい。

