先輩を家まで送るとき、あまりにも可愛いことをされたから

ついキスしてしまった。あ、でもおでこにだけど。



「あの顔は反則だよな…」



さっきの先輩の笑った顔を思い出して俺は顔を赤くする。

そして家に帰ると兄貴がちょうど風呂から出てきたとこだった。



「お~おかえり~」



そう言って冷蔵庫からビールを出してごくごくと飲む。

ビール…前に一口もらったけど、ただ苦いだけだった。



「兄貴…」



ビールを飲み干して、缶をつぶしている兄貴に声をかけた。



「…兄貴が気になってた人って、先輩だろ?」



俺がそう言うと、兄貴の缶をつぶす手が止まった。

それを見てやっぱりと思う。



「何年一緒にいると思ってんだよ。すぐわかった」



そう言って俺はソファにドスンと座った。

先輩と話す兄貴は、すごい幸せそうな顔をしていた。

俺もそんな顔して話してるのかなとか思う。