「こっちこっち!」
そう言って手招きをする隼人くん。
「あ!これ、買ってきたんだけど…」
あたしはプリンの入った袋を隼人くんに渡した。
すると、
「わっ!これ僕めっちゃ好きなケーキ屋さんのだ!!」
そう言って目をキラキラさせた。
結構隠れ家的なところにあるケーキ屋さんだけど、隼人くんが知ってるなら実は有名なのかもしれない。
そう思いながら隼人くんについていく。
「兄貴!来たよ~」
目の前の隼人くんがそう言う。
あたしはお兄さんの顔を見る前に頭を下げた。
「は、はじめまして!隼人くんと同じ学校の七海真子です!今日はお招きありがとうございます!」
そう言った瞬間、
「えぇ!?真子ちゃん?」
そんな声が聞こえてあたしは顔を上げた。
すると、
「け、けけけけ賢一さん!?」
そう、目の前にはなぜか賢一さんが。
あたしと賢一さんは目をぱちくりさせる。
状況が把握できない。
「え?知り合い?」
隼人くんは首を傾げてそう言った。

