「はぁ、おめでと」



「おめでと」



あたしと秋はあきれ顔でそう言った。

すると啓太はニッと笑って、



「俺にプレゼントは?」



そう言って手を出してきた。

このいかにも『どうせ準備してきてるだろ?』って顔がむかつく。



「はい」



あたしは啓太の手に持ってきたプレゼントを乗っけた。

秋ももう片方の手に乗っけていた。

一応3人はプレゼント交換は暗黙の了解。

啓太は鼻歌を歌いながらまずは秋のプレゼントを開ける。



「な、なんだこれ?」



秋のプレゼントは…本。

題名は『お調子者を直します』ていう本。

あたしはそれを見て思わず笑ってしまった。

啓太はブーブー文句を言いながら今度はあたしのプレゼントを開ける。



「…」



それを見たとたん啓太は無言になった。



「可愛いっしょ、それ」



あたしは満足げに啓太にあげたインディアン人形を指さす。

隣で秋が噴出して笑ってる。



「そこが小物入れ、帽子のところはスマホがくっつくんだよ」



そう言って説明すると啓太は何とも言えない顔であたしを見た。



「…あ、ありがとう」



「どういたしまして」



いつも意地悪されてるお返しだ!

啓太はとぼとぼと自分の机に戻った。

そして、座ったとたん机に積んであったプレゼントが一気に崩れて、

啓太はプレゼントの山にに埋もれたのであった。