「兄貴、なんか今日機嫌よくない?いいことでもあったの?」
隼人がカレーをよそりながら俺に言う。
良いことねぇ。真子ちゃんが頭に浮かぶ。
「まぁね、ちょっと気になる子が出来た」
そう言うと隼人はダダダと走ってきた。
「まじ!?あの女嫌いな兄貴が!?」
そう言って顔を近づけてくる隼人の鼻をつまむ。
「俺、いつ女嫌いなんて言ったんだよ。めんどくさい女は嫌いって言ったんだ」
隼人はなーんだという顔をしてキッチンに戻った。
「隼人だって、最近楽しそうじゃん」
俺は知ってるぞ。
お前の机の上に可愛いウサギのぬいぐるみが飾ってあったり、この前は星の砂の入った小瓶が増えていた。
掃除担当の俺は結構見てるんだぞ。
そう言うと隼人は照れたように頭を掻いた。
「うん、俺も好きな人できた」
頬を赤くさせて言う隼人を見て、本当に好きなんだなと思った。
「今度俺にも紹介しろよ~」
俺がそう言うと、
「うん!」
隼人は笑って頷いた。

