腐れ縁と好きの境界線


「なぁ志麻(シマ)?」


短い沈黙の後、ふと名前を呼ばれて視線だけをそちらに向けた。

夕日にあたってキラキラと輝く黒の瞳が、じっとこちらを見つめて居た。

きゅっと結ばれたそいつの唇が、「何?」と答えた私の後に次いで開いた。

「俺達、付き合わないか?」

最初は何を言われたか分からなかった。

初めて会った時に比べたら大人びたその表情と、いつの間にやら超された背。

頬がほんのり染まったように見えたのは、多分夕日のせいだと思う。

私よりも断然短い黒の髪が風に煽られ、サラサラと揺れた。