大好きです。

「はぁ…!はぁ…!」






「遅いぞ、加山。」








「…南校舎の場所覚えられなくて。」








入学してもう数ヶ月は経つ高校なのに、未だに道に迷ってしまう。







「…あとは、伊藤舞斗、園田棗、原島杏菜か。お前ら4人今日生徒指導室な。」







うちの担任は生徒指導室の先生で、風紀には厳しい。
遅刻にももちろん厳しい。







そして、うちのクラスでよく遅刻するのは、私を含める四人。
その三人とは関わったことはないんだけど…。







放課後になり、生徒指導室に行くと、話し声が聞こえてきた。







「舞斗って言うの?」








私はドアを開けると、二人で話してる男女と、一人で外を眺めてる男子がいた。








「あなたも生徒指導室に呼ばれたの?」








「あ、はい!」








「名前は?」







「加山有彩です!」








そう言うと、赤髪の子はニコッと笑ってくれた。







「有彩ね。私は原島杏菜。杏菜って呼んで。」







「俺は伊藤舞斗。よろしくね!」







舞斗と杏菜とは友達になれたけど、もう一人の男子は一向にこっちを向いてくれなかった。







「ん?」







私はその男子の顔をよく見ると、







「ああ!今日の朝の人だ!」







「…うるさい。」







「あの!今日はありがとうでした。まさか、園田棗くんですか?」







「…なんで知ってんの。」







「先生が言ってました。うちのクラスでの問題児はわたし達四人だって。」







その人は、クールで私が話しかけるとだるそうにするけど、絶対無視はしない人だった。