俺は健にそっと手を伸ばした。 すると、俺の人差し指をぎゅっと握った。 「わぁ…」 俺は、つい笑顔になった。 可愛い。 麻里の子だからっていうのもあるけど、 本当に可愛い。 「健、笑ってる。 翼のこと気に入ったみたいだね」 麻里は笑顔でそう言った。 好きな人の子供に気に入られるって、 こんなに嬉しいことってねぇよな? 俺のこと、認めてくれてるんだろうか? だったら、いいな。 健の父親、なりてぇな… そう思った俺は、覚悟を決めた。