放課後になって、帰る時間。 「翼、帰ろう」 今日は荷物を完璧にして、カバンを背負った麻里が俺に声をかけた。 麻里と二人きりで帰る。 今まで当たり前にしてきたことだけど、今の俺には難しいこと。 「ごめんっ! 今日用事あるんだわ」 今まで通りは無理だと思った俺は、気付いたら断っていた。 用事なんて、あるわけない。 けれど今の俺には、二人っきりなんて無理。 「そっか。じゃあまた明日ね」 そう言って麻里は、手を振りながら帰っていった。