「兄貴、今日早くね?」 何してんのか知らねぇけど 兄貴の帰りはいつも7時過ぎ。 今は5時を少し回ったところ。 「お前の入学を祝ってやろうと思って、早く帰ってきてやったんだよ」 当たり前のように言う兄貴。 「別に頼んでねーし」 リビングのソファーにカバンを置いて、横に座った。 食卓用の椅子に座る兄貴が、ニヤニヤしながら聞いた。 「クラスに可愛い子いた?」 それしか頭にねぇのかよ。 「知らね。女子の顔とか見てねーし」 「相変わらずお前、そういうとこ冷めてんな」