次の日もまた、王座の部屋に呼び出された。

「はぁ…気が重いわ…」

コンコン……ガチャ…

「次は何でございますか、お母様」

「あら、やっと来たのね。
実は報告があるの。
明日の午後からあなたたちの御披露目パーティーをするのよ」

「それは…何故急に?」

「あちら側の都合よ。
私としては御披露目なんてさせたくないのだけどね」

「…………」

「そのお相手とは……一体誰なのですか…?」

「……もう明日に迫っているのだから、行ってもいいかしらね……
相手は、悪魔界の王子よ。」

「…!!何故、そんな相手を…!」

「何故って…私の可愛い娘たちに悪魔なんかと結婚なんてさせられないでしょう…?」

そう、私は、お母様の実の娘ではない。

第一王女と第二王女はお母様の実の娘。

だからといって、この差はないのではないか。

相手が悪魔だなんて…

よほどこの女王は私のことが嫌いなのだろう。

悪魔とだなんて、嫌だ。

けれど、逆らったら…?

私の命は消えるかもしれない。

この城の中で私を嫌っているのは女王と大臣だけだ。

お姉様たちは私のことを可愛がってくれるし、使用人も私に優しくしてくれる。


私は、そんな人たちが大好きだ。

でも、女王たちは私を嫌う。

訳もなく嫌うのはおかしいと思う。

なんて、本人に言えるはずもなく……

そして、止めを刺された。

「それに、悪魔なんてお前にぴったりじゃないの。
汚れた血を継ぐお前には、一生幸せ何て来ないのよ…ふふふ……」

「………っ!私は…………!」


「なぁに?この私に口答えをするつもり?
むしろ、感謝すべきじゃない?
身寄りのないお前を引き取ってあげたのは誰か、忘れたわけではないでしょう?」


「…………」

「それに、相手の殿方、相当な美形よ?
あれで悪魔でなければ私の娘の婿に欲しいくらいね。」

「…………そうですか」

「ええ。
だから、お前は私に忠誠して感謝するべきよ。」

「…ええ、ありがとうございます、お母様……」

ほんとは、吐き気がするほど嫌だった。

この人のことを、お母様、何て呼びたくなかった。

だって…私の本当のお母様は、この人の欲望のために殺されてしまったのだから……