**宝石姫と狼王子**

俺は一度教室に走り、智也たちを探した。


銀狼の幹部は、誰一人として各自の教室にいなかった。


柊「くっそ!どう言うことだっ!」


がらにもなく焦りながら、5組の前を通る。


千鶴「あ!テメェあれどう言うことだ!!」


いきなり誰かに胸ぐらを掴まれた。


胸ぐらを掴んだのは八島だった。そのまま力を強くする。


柊「……っ!」


さすがNo.2の総長。とんでもない力だ。


柊「……落ち着け。俺も今学校に着いて、何がなんだかわかってねぇんだ」


八島にはそう言ったものの、自分だって落ち着いてはいなかった。


千鶴「あ?…じゃあ銀狼の幹部独断か!?」


柊「そう言うことになるな…。てか、あいつらどこかしらねぇか?」


千鶴「講義室。彼方がさっき放送で呼ばれてた。」


八島に礼を言って、俺は講義室に急いだ。


千鶴「あいつがあんなに慌ててんの、初めて見たわ…」


八島のそんな独り言も俺には聞こえていなかった。