**宝石姫と狼王子**

『2年2組 星野 彼方さん。至急、講義室に来てください。』


千鶴「……あいつら何考えてんだ!」


嫌でもわかる。講義室にいるのは銀狼。


行くしかない。


千鶴「ちょっ!彼方!?……行くつもりかよ?」


コクリ。


当たり前。あんな勝手な事……死んでも姫になんてならない。


さっきまでカッとなっていた頭が段々と冷めていく。冷静になる。


1度目を閉じて深呼吸をする。


もう大丈夫。私は誰にだって動かされない。


私は静かに5組の教室を出た。


千鶴「……やっべー。死んだな、あいつら……」


千鶴のそんな声も、私には聞こえていなかった。