**宝石姫と狼王子**

「久しぶりだなー。全然変わんねぇな、お前…。」


千鶴の呆れ口調に小春は頬を膨らます。


「なにそれー!ひっどーい!小春だって少しは変わったよぉ」


小春は置いてあるパンケーキを頬張る。


「あっまー!チーちゃんほんと甘党よねー」


「は!?ちげぇよ!これは彼方が勝手に頼んだんだ!!」


「どうせカナちゃんが、表の看板を羨ましそーに見てたチーちゃんに気を利かせてくれたんでしょー?」


「なっ…んだと!珍しく甘い物なんて頼むからおかしいと思ったんだ!本当にそうなのか!?彼方!」


騒がしい会話をする2人を懐かしい目で眺めていたら、急に私にふられた。


さすが小春。鋭い。


コクリ


私が素直に頷くと小春は「ほーらねー」と千鶴をつついた。


「っぐ…。悪ぃ彼方…。ありがとう」


申し訳なさそうに言う千鶴。私が勝手にした事だから気にしなくても良いのに…。