「えっ、誰この可愛い子。てかお姉ちゃんって言った?彼方先輩の妹さん?」
おそらく星野の妹だと思われるその子は、星野に似てはいないが確かに顔は整っていた。
艶のある焦げ茶色の髪はきちんと一つにまとめられ、肌は真っ白な星野とは違い、程よく焼けていた。
身長は155くらいだろうか。制服を見ると近くの中学校に通っているようだ。中学生とは思えないほど大人っぽくしっかりしていた。
整った顔。さらに気の強そうな瞳が一層それを引き立てる。
「お姉ちゃんと同じ学校の人か〜。モッテモテだねお姉ちゃん!」
星野にそう言うとこちらを向き直りペコリと頭を下げた。
「私は妹の如月 凪咲(キサラギナギサ)です。これから姉がお世話になります。」
「如月?星野じゃなくて??」
夕が口を開いた。
そう言ってからまずい事を聞いたかと顔を引きつらせた。
「私達、義理の姉妹なんです。元々はいとこだったんですけど。」
俺たちの心配とは裏腹にあっさりと理由を教えてくれた。本人たちはあまり気にしてはいないようだ。
「じゃあ、お姉ちゃんを送ってくれてありがとうございま…」
家に入ろうとして妹の方が急に固まった。
一点を見つめている。
視線は武虎の方を向いていた。
「…え!?俺か!??」
「なんか変なもんついてる!?」そう言って動揺のする武虎見てハッとなった妹は
「いえ……なんでも。」
と言って家に入っていった。
