**宝石姫と狼王子**


【柊side】

めっちゃ可愛い転校生きた!!


いつものように屋上に集まっていた俺たちの所に、武虎がそう叫んでドアを開けた。


膝に手をつき、ゼェゼェと息を切らしている。


「「「は?」」」


全員の目が点になった。


「いきなり来て何訳のわからない事言ってるの…。」


呆れ顔で要が笑い、全員が思った事を代弁する。


「いや!マジやて!!超可愛いし、綺麗やし!ギャルっぽくない!!」


武虎は大声で主張する。


「ギャルっぽくないって言うのは珍しいねー。ここに来る女子なんてギャルしかいないのにー」


そう言って首をかしげる夕。


たしかに珍しい。それどころか異例。この学校内でギャルじゃない女子なんて1人もいない。


「ここに来るのは決まって、問題を起こしたか学力が異常に低いかのどちらかだもんねぇ…」


要はたいして悩んでもいないくせに、右手を顎の下にあてて悩むふりをしている。


でも確かに怪しい。


「まぁでも、転校生ときたら聞かない訳にはいかないよねぇー」


ヒラヒラと手を上げてさもどうでも良さそうに言う要。


「たしかに!いくら女の子でも、好き勝手荒らされたら困るしねー」


ニコニコと言う夕の目は笑っていない。


「柊はどー思う?」


俺は…


「怪しい……と、思う」


「「じゃあ決まりだね〜。虎ちゃん情報ちょうだーい」」


要と夕はニヤニヤ楽しそうにそう言った