**宝石姫と狼王子**

彼らの目には驚きと焦りが見えていた。


女子。ましてや普通のその辺にいそうな。本当にごく普通の女子高生。


髪も染めてなければ制服もほとんどいじっていない。


そんな普通の子にこんなもの見せられたら、驚かない方がおかしいのかも知れない。


『じゃあ、私そろそろ家帰ります』


それを見てさらに彼らは、なんとも言えない表情になる。


「……家まで送る」


そう口を開いたのは桐生君。


私は首を横に振った。家はそこまで遠くないが申し訳ない。


何より仲良くもない人とこれ以上関わるのは遠慮したい。特に男の子。


「…遅くなったのは俺たちのせいでもあるから」


「そうそう!ちょっとさっきの説明もしたいしね!!」


なんだか結局流されて、私は送ってもらう事になった。