ーピピ… ピピピ
「……………っ」
目覚ましの音に多少の不快感を覚えながらも私はむくりと重たい体を起こす。
時計を見るとキッチリ6:00。
はぁ…
思わずため息が出る。
私は今日。転校先の高校に向かうのだ。
そう考えただけで心はどんどん沈んでいく。
唯一、転校先の高校にいる親友のことだけが私の心を軽くしてくれる。
八島 千鶴(ヤシマ チヅル)。私の数少ない友達の一人。
綺麗な顔立ち。モデルのようにスラリとした体型。そして金髪に染められた長い髪が、それらをさらに引き立てる。
世間でいう彼女は不良娘。
そんな彼女とは中2の頃に知り合った。
今でも、全く違うタイプの私達の仲が良いのはなんだか少し不思議だった。
転校先に心の支えがあるだけ良かったと思う。
彼女に会ったらアイスの一つでもおごってあげようと、アイスで輝く彼女の顔を思い浮かべながら お財布を鞄の中に入れた。
