**宝石姫と狼王子**



小学校高学年くらいから、私は叔父さんの家を夜に抜け出したりするのが多くなった。抜け出して、とにかく暴れた。


中2くらいでやめたけど…。


やめてすぐに千鶴と友達になった。不良なんて案外身近すぎて恐怖は微塵も湧かない。


ガッシャーン


久遠先輩が目の前にある机を蹴飛ばす。すごい殺気。


演技でここまでできるなんて感心しちゃう。


「ちょっとぉ?なんか言ってよぉ〜」


黒く甘い声で桜井君が私に近づく。


「ぶっ殺すよ?」


ニッコリとそう言って殴りかかって来る。


でも私の頭の中は晩ご飯の献立でいっぱいだ。


晩ご飯何にしようかなぁ…。そう考えながら桜井君の攻撃をかわす。


仲の良い友達以外に触れるのは割と遠慮したいので、ただただ避ける。


ピロリン♪


ポケットからLINEの着信音がした。