もう少しで放課後。今は帰りのホームルーム。相田先生が明日の事について軽く説明をしている。そんな時。


「なぁ…。放課後ちょっと時間ない?会ってもらいたい人がいるんよ…。」


前の席の佐野君がコッソリ小さな声で話しかけてきた。こんな小さな声も出せたのか。


『会ってもらいたい人?』


誰だろう


「転校生はそいつに顔見せなきゃあかんのや。あれでも一応ここのボスやから…。」


ボス…。って事はやっぱり、


『銀狼の総長?』


「っ!知ってるんか…?じゃあ話が早いなぁ。……ええか…?」


まぁ少しくらいなら良いかな…。


コクリ…。


「ありがとう…!じゃあ後待っとってな…!」


佐野君は少し申し訳なさそうにニッと笑うとまた前を向いた。


全国No.1の総長か…。
この上なくめんどくさい。
本当は行きたくない。


しょうがないか…。
ここの最強だし、すごい厳つい人だったりして…。


スキンヘッドの厳つい顔や、派手な刺青のある顔。ムキムキのマッチョを想像しながら、私はその時がくるのを待っていた。