夏時計



僕が言った事一つで子供たちはそれが正しいんだと思うし、間違っている、と思えばこれでもかってくらいに猛反抗してくるし。

地元から少し離れた街角で、僕は新米教師として日々子供たちに成長させられている。



「てゆーか夏目せんせー!何で美術館なのー?」

一番先頭に居る女の子が手を上げて僕に尋ねてきた。


「芸術に触れる事はいい事だぞー。」

「そこ涼しい?」

「そりゃ冷房効いてるだろうけど。」

「ふぅん。ならいいや。」


と、まぁ子供たちに芸術の素晴らしさなんて全く興味が湧かないらしい。


…仕方ないけどね。




「よし、じゃあ好きに見ていいぞ。気に入った作品には今渡した用紙に感想を書いて先生に後で提出して下さい。」

「「「はーい。」」」


そんなこんなで寄り道しながら美術館に着いた僕と子供たちは
それぞれに館内に散らばって観賞を始める。