夏時計



………………



「ほらー、みんなちゃんと並べーっ。」

ジリジリと焦げるような太陽の下、僕の声は虚しく宙を舞って消える。



「夏目せんせー、まだぁ?」

「もぉ暑いよぉ!」

「もうすぐだから、ちゃんと並んで歩く!車に轢かれるぞ!」

「えー、轢かれたら夏目せんせーのせいだもん!」



それから10年後。

季節は規則正しく流れて今年もうだるような夏が訪れた。



「ほれ、そこ喧嘩すんなって!」

「だって要くんが押してきたんだぜ!」

「違うよ、光くんが先に押したんじゃん!」


僕はあれから無事に高校受験に合格し、大学に進んで教員免許を取った。

そして迷わず小学校教員になった僕。


「はいはい、人のせいにしなーい!」



だけどこれが思ったよりも大変なのです。