授業中。


一番後ろの窓際でただぼーと空を眺めてた。







あれから何度も彼の姿を見たけど私のことには、気づいてないようだった。










むしろ、覚えてないのかも。










それでも、屋上に行くのは昼休みだけにした。












「えー。教科書、34ページを開けて。」









先生の話なんてまともに聞いてなかっ

たからクラスでひとり教科書を出して

なかった。












「香川。

教科書の34ページを読みなさい。

教科書を出してないのは、君だけだ。

よく、話を聞きなさい。」










案の定、先生に当てられてしまった。









小さくため息をついて立ち上がる。









ぼそぼそと早口で読み慌てて座った。

















先生は、不機嫌そうで周りは、クスク

ス笑っていたけどそんなことどうでも

良かった。

















そのときは、まだ気づいていなかった。
















私の頭のなかがあの人でいっぱいであることに。