講義に何とか間に合ったものの
私たちの息切れは凄く
周りからはクスクス笑う声が漏れていた
講義が終わり、私と樹里は講堂に向かった
「あ、芹沢くん...とどなたですか?」
「こいつ。俺の友達の都築椎谷」
頭がパニックになった
10年前故郷で別れたはずの椎がここに居る
連絡を取っていなかったせいで
昔の面影を一切残していない彼は
本当に椎なのかと疑いたくなる
「え...椎?」
それまでそっぽを向いていた椎は
私が問い掛けると、ゆっくりこっちを向いて
「ああ」
ただ一言。そう呟いた
でも私はそれ以上会話を続けることが出来なかった
昔の元気でやんちゃな椎とは違い
誰かを射抜くような視線に、誰も寄せ付けない雰囲気を醸し出し、笑顔の欠片も無かった。
「椎谷は俺と高校からの友達なんだ。何か西畑さんに紹介したくなっちゃって」
芹沢くんは先ほどの冷たい感じなどどこかへ飛ばしたように
明るい声で無邪気に笑いながらそう言った
「あ...そうなんだ...」
苦笑いしか出来なかった
それを察した樹里が気を利かせてくれて
「あ!芹沢くんお詫びはジュースでいいよね?」
「うん。オレンジジュースよろしく〜。次の講義終わったらまたここに来るからその時にでもちょーだい」
「分かったよ、じゃあ行こ!一果」
「あ、う、うん!」
私は早く椎から離れたかった
本当は嬉しいはずなのに全く再開を喜べなかった
私はこの日講義の内容は一切入ってこなかった
芹沢くんへのジュースも
樹里が一人で渡しに行ってくれた
芹沢くんを恨む以外このもやもやを
ぶつける方法が見当たらなかった
私たちの息切れは凄く
周りからはクスクス笑う声が漏れていた
講義が終わり、私と樹里は講堂に向かった
「あ、芹沢くん...とどなたですか?」
「こいつ。俺の友達の都築椎谷」
頭がパニックになった
10年前故郷で別れたはずの椎がここに居る
連絡を取っていなかったせいで
昔の面影を一切残していない彼は
本当に椎なのかと疑いたくなる
「え...椎?」
それまでそっぽを向いていた椎は
私が問い掛けると、ゆっくりこっちを向いて
「ああ」
ただ一言。そう呟いた
でも私はそれ以上会話を続けることが出来なかった
昔の元気でやんちゃな椎とは違い
誰かを射抜くような視線に、誰も寄せ付けない雰囲気を醸し出し、笑顔の欠片も無かった。
「椎谷は俺と高校からの友達なんだ。何か西畑さんに紹介したくなっちゃって」
芹沢くんは先ほどの冷たい感じなどどこかへ飛ばしたように
明るい声で無邪気に笑いながらそう言った
「あ...そうなんだ...」
苦笑いしか出来なかった
それを察した樹里が気を利かせてくれて
「あ!芹沢くんお詫びはジュースでいいよね?」
「うん。オレンジジュースよろしく〜。次の講義終わったらまたここに来るからその時にでもちょーだい」
「分かったよ、じゃあ行こ!一果」
「あ、う、うん!」
私は早く椎から離れたかった
本当は嬉しいはずなのに全く再開を喜べなかった
私はこの日講義の内容は一切入ってこなかった
芹沢くんへのジュースも
樹里が一人で渡しに行ってくれた
芹沢くんを恨む以外このもやもやを
ぶつける方法が見当たらなかった

