「名前、訊いていい?」

「あ、うん!橘 美桜……ですっ」

「俺、柏木 楓」

カエデくん……か。


「美桜、寒くないの?」


急に下の名前で呼ばれて、
思わずドキッとしてしまう。


「か……楓こそ」


悔しいから、
私も呼び捨てしてみる。


「大丈夫だよ、俺は。
てゆうか!
もう11時だし……送ろうか、家近く?」