楓は、意識が朦朧としているから
気付いていないのかもしれないけど、





楓によく遊んでもらっていたという
小児科の由加ちゃんたちも
心配そうな面持ちで
楓の病室を訪れるようになった。





「ねぇ、みおちゃん……
カエちゃんはしなないよね?
またげんきになって
ゆかとあそんでくれるよね?」



小児科の子供たちが
口々にそう言い出した。



「当たり前じゃない………
楓は死んだりしないよ。」



そうでしょう?楓。


私を死なせなかった癖に
自分だけ死んじゃったりしたら
許さないから……。














どんなに辛くても、
楓は笑顔を絶やさなかった。







その色素の抜けた指先で私の
髪を撫でる。





「………………美桜………
誕生日は何が欲しい…………?」





ばか………………………。





「楓が居ればなんにも要らない……」





だから、どこにも行かないでよ。